人はそう簡単にニュータイプにはなれない。
冒頭、いつもの日常を送るララと、それを監視する政府。この時点ですでに嫌な予感しかしない。
案の定、宇宙船を政府に発見される。しかし、アブラハムが映画のセットだと苦しい言い訳をする。政府…というよりはまどかの父親は訝しむばかり。こいつどうにかしないと危ないな。
そんな中でブルーキャットはレーダーをごまかせる指輪を出してきた…
ってそんなのあるなら最初から使えよ!
恐らく個人で持っているステルスツールだと思う。レーダーに察知されないステルス性は仕事上必要になるからな。
で、まどかの父親は何を思ったのか桜子に接触。翌日、ララが登校するとクラスの様子が違っていた。こいつ、何か桜子に吹き込んだな!
そして始まったのが無視。ララを無視することだ。あの男、本当に何を吹き込んだ!こんな陰湿ないじめをやらせるようなことだ。相当やばいことを吹き込んだに違いない。大人がこんなことばかりやっているから、子供がいつまでもいじめなんてものをやめようとしないんだ。そして、明らかに様子がおかしいクラスメイト達をひかるは問い詰める。
桜子達から語られたことはこうだ。
・世界中で宇宙人によって記憶を奪われる事件が頻発している
・自分達も記憶を奪われ、その時に4人が目の前にいた
・ララがそれらの事件に関与している疑いがある
などのことを吹き込まれたようだ。そして、桜子は言ってはならないことを言ってしまう。「ララは異星人なのでは!?」と。そして、「ひかるはララに記憶を改ざんされているのではないか!?」と。
いやいや、前作のアンドロイド*1じゃないんだからそんなことはしないだろ。異星人じゃなくてもアンドロイドにもできることなんだから。そして、それはすべてララに聞かれていた。そして、ララはその場から逃げ出した。
あの男、こうなることを想定して桜子に吹き込みやがったな。汚い大人だ。政府のクズどもはろくなことを考えん!これじゃあまるでバッフ・クランじゃないか!水からと違うからと嘘や推測でしかないことまで吹き込んで敵対心を煽り、排斥行動を起こさせるなど、平和的な人間のすることではない!このままでは4人が排斥されて本当にスペースランナウェイになってしまうじゃないか!
ララは図書室で落ち込んでいた。本に触れ、地球の文字を学習することで地球人を理解した気になっていた。しかし、ここに割り込まれるのはカッパードの言葉…
今に、裏切られるぞ
それまで友好的だったものが一斉に手のひらを返す。そして、それは裏切られたものに大きな悲しみをもたらす。それが悪い方向に転がれば、悲しみは憎しみに変わる。ノットレイダーは、悲しみから憎しみに変わった者達の集まりだということになるわけだ。
この展開は、あるRPGの話に似ている。ライブ・ア・ライブ中世編だ。それまで勇者ともてはやされていたオルステッドは、ストレイボウの策略*2によって破滅をもたらす魔王と国民に思わせてしまう。この悲しみから真相を確かめるべく魔王山に向かうが、そこに待っていたのはストレイボウ。ストレイボウの口から、オルステッドに対する憎しみが語られる*3。そして、ストレイボウを殺すことになり、助けるはずだったアリシアまでもがストレイボウを擁護*4し、その場で自害してしまう。心を支えていたものすべてを失ったオルステッドは人間に絶望し、悲しみを憎しみに変えて国民を皆殺しにし、憎しみの魔王「オディオ」となった。
ノットレイダーは即ちオディオの集まりだ。作中にあった7つのオディオ*5となる者達にさらなる憎しみの力を与えていたのが魔王オディオだ。ダークネストとは憎しみの化身なのではないか?オディオと同質の存在*6ではないのか?そう考察している。
脱線したけど本題に。ララも悲しみの中にいる。しかし、悲しみを憎しみに変えることは、ひかるがさせなかった。
一方の2年3組の皆さん。さすがに罪悪感は感じている模様。で、暗い雰囲気の中桜子が叫ぶ…
カルノリ、後ろ後ろ!
ノットレイダーの襲撃だ。このままでは、2年3組の全員が素体にされてしまう!
正体バレ覚悟で助けに入るララ。つーかカッパードが全部ベラベラとくっちゃべってくれたよ。ララの正体もろとも全部。そして改めて言う。異なる星の人間同士は分かり合えないと。でもな、それを続けていたらいずれ宇宙が滅びるんだよ。認めない人間同士がいつまでも争っていたら、それらすべてを消滅させる存在によって何もかも滅ぼされてしまうんだ。そうさ、際限なく争い続ける地球人とバッフ・クランを両方とも皆殺しにして、銀河もろとも滅ぼしたイデ*9のように。
しかし、そうはさせないのがララ。自分が理解されなくても、それでも一緒にいたいと。それでも、それでもと。そうだ。それでも、と言い続けるんだ*10。そうすれば、いつか分かり合える時が来る。そして他の3人もやって来る。全員この場で2年3組のみんなに正体がバレるのを覚悟している。5人は言葉などなくてもお互いを理解しあえている。それこそが、ニュータイプなんだ。
ついにやってしまった。完全にバレた。もう後戻りも言い逃れもできない。
そんな心配など知ったことかと襲いかかるカッパード。そして、2年3組のみんなから力を吸い上げようとするも、ミルキーに阻止される。そして、ミルキーの覚悟を知ったみんなは歪んだイマジネーションなど捨て去っていたのだ。ララに対する不信感を利用しようと思っていたカッパードの目論みは完全に失敗した。しかし、未だに歪みを捨て去っていない人間が1人だけいる。それは、まどかの父親だ。そこから吸い上げたのだ。なんだか突くための刀*11ができそうな予感がする。しかし、実際は…
弓矢だった
あ、そういや父親も弓道経験者だったな。
そして、カッパードはおもむろに天に向かって矢を放つ。それは光の雨となって敵味方すべてを襲う。敵味方の識別が全くできてない時点でセレーネの光の雨攻撃の劣化版だ。あっちは敵味方の識別ができるからな。で、その光の雨はクラスメイト達にも襲いかかっているわけだが、それはミルキーがガードしている。しかし、それが非常に気に食わないカッパードは特大の矢を放つ。否定ばかりを繰り返すカッパードに対して、ミルキーは自分らしくありたいと願い、そして叫ぶ。その時…
光が、広がっていく*12
いや、別に精神崩壊じゃないぞ?
そう、ミルキーもトゥインクルイマジネーションを発現させたのだ。つまり、ニュータイプに覚醒したわけだよ。そして、5人技で可能性の光を放つ。
その後、父親に対してクラスメイト達はきっぱりとその可能性を否定してみせた。そして、まどかも父親に対してその可能性を否定した。これも父親への反逆だろうか?
そして和解。悲しみは取り払われた。しかし、カルノリの適応力はすごい。こいつやっぱりただものじゃない。
次回はどう見てもまどか回。今回のことで父親との関係に亀裂が入っていないか実に心配だ。そしてまたもやガルオウガ。ついにまどかも発現するか!?
*1:ルールー。はなの母親の記憶を改ざんして野乃家に潜り込んだ
*3:「あの世で俺に詫び続けろオルステッドーーーー!」がその筆頭である
*4:このせいでアリシアはスクウェア三大悪女にされた。オルステッドの心に最後のとどめを刺したのはアリシアで間違いないが、意図したものではないため、今でも賛否両論である
*5:現代編のオディ・オブライト、西部編のO・ディオ、功夫編のオディワン・リー、原始編のおーでぃーおー、幕末編の尾手院王、近未来編の御出居様、SF編のOD-10
*6:憎しみを原動力にするものに力を与える存在
*7:8時だよ、全員集合
*8:1980年代に本放送をしていた。この当時は俺たちひょうきん族と熾烈な視聴率争いを繰り広げていた
*9:イデとしては、それで世界をリセットするつもりだった